公彦先生霊的因果はときに偶発的に生じ、思わぬ形で人生を狂わせることがある

結局、今の職場にいてもこれ以上の発展は望めないということで、A子さんは再度の転職を余儀なくされました。幸い、恋人の男性の斡旋で新しく移った会社は、小さいながらも成長が目覚ましく、彼女は日々やりがいを持って頑張っているそうです。
この春、彼との結婚も決まり、公私ともに充実した人生を送っておられます。とは言いながら、性格にも裏表がなく、人一倍真面目で努力家~そんな非の打ち所のない一人の女性がこのような目に遭わなくてはならなかったことに、私は運命の皮肉を感じます。同時に、愛憎が絡む負のエネルギーの恐ろしさを痛感せずにはいられませんでした。
因果応報という言葉がありますね。自分が撒いた因果の種は、いずれ成長して自分に返ってくる…しかし、霊的な次元からみるとこの言葉にはちょっとした保留がつきます。 たとえふたつの魂の間に元々の悪因縁などがなくとも、偶然の導き(神様の悪戯と言っても良いかもしれません)によって新たな因縁が生じるケースがあるのです。
今回のように男女の愛憎が絡む問題に限らず、自分の側には落ち度がないのに思わぬ因縁のとばっちりを受けてしまったという例を、私は実際の霊視鑑定を通していくつも見てきました。
たとえば、お墓参りに行ったとき隣家の墓が雑草だらけだったのでついでに掃除してあげたところ、その家系にまつわるあまりよろしくない因縁の作用を受けて、自分の家族に不幸が続いてしまったという年配のご婦人を鑑定したこともありました。
幸いその方は適切な除霊によって事無きを得ましたが、考えてみれば純粋な親切心が仇になってしまったわけですから、ご本人にしてみれば理不尽このうえない出来事だと思います。 もちろんこのご婦人の例とA子さんのケースを同列には論じられませんが、偶然の巡り合わせで、本来は関わるはずのない因縁の作用を受けてしまったという点では共通項があります。
事実、A子さんと相手の奥さんの過去世を透視しても、二人の間にはさほどの強い結びつきはなく、良くも悪くも霊的因縁の少ない間柄なのです。恋人の男性という媒体がなかったら、おそらく一生のうちに出会うことがなかったであろうお二人です。 それが奇しくも今世で強い因縁を持つこととなり、しかも相手から理不尽な逆恨みをされるような、極めてネガティブな形で現象化してしまったわけです。
人間の嫉妬や恨みのエネルギーというのは決して侮ることはできません。
このエッセーコーナーでも複数の霊能者の先生が口を揃えておっしゃっていますが、人間の魂と霊体に対して本当の意味での破壊力を持っているのは、じつは死霊の祟りや悪念ではないのです。それは今現在生きている人間が発するネガティブな感情エネルギーの波動、すなわち生き霊のパワーです。

