霊能者エッセイESSAY

龍伽(りゅうか)先生守護霊と先祖霊はイコールではない

ご先祖様は心配過剰?

私が鑑定中にもっとも気を遣うのは、お客様が気楽にお話しできる雰囲気をいかに作るか、ということに尽きます。もちろん遠隔より霊視すれば、悩みの内容や大概の状況は分かってしまうのですが、お客様自身の小さな心の揺れ動きのような部分まで見るには、それなりにリラックスしていただく必要があるのです。また、そうした細かい心の襞が上手く読み取れないと、「本当はこの問題をどうしたいのか?」という魂の奥底の意志まで霊視することができなくなってしまいます。 そこでこちらもあまり畏まらず、そうかと言って馴れ馴れしすぎず、といった適度な距離感を持って接し、お客様が余計な緊張をせずに素直な心の内を吐き出すことができるように心がけています。

ただし、そうした雰囲気作りをしても、今ひとつやりにくい時もあります。ご本人の魂が何かを語る前に、その方の先祖霊や縁のある霊体(守護霊とはまた別の存在・むしろ背後霊に近い方々です)が飛び出してくることがしばしばあるからです。「どうかこの子を救ってあげて欲しい!」「私の言うとおりにさせて欲しい!」と、彼らはまるで過保護の母親めいた感じで、ご相談者自身の言葉を遮るようにまくし立ててきます。ご先祖様としては、自分が守っている可愛い子孫を何とかしてあげたいという切実な気持ちで前に出てこられるのだと思いますが、このメッセージは時によって善し悪しでむしろ迷惑になることが多いですね。…というのも、そうした先祖霊たちの言うことが必ずしも正しいとは限らないからです。霊からのメッセージを伝える立場の私がこんなことを言うと変かもしれませんが、これは霊界の階層を例にとって説明するとよく分かります。

守護霊と先祖霊はイコールではない

霊界というのは多重構造になっており、ある意味で厳格な階層社会です。霊能者によって呼び名は多少異なるかもしれませんが、トップにおられるのは霊神と呼ばれる方々で、このレベルでは直接個人の運命には関わりません。世の中全体や自然界のバランスといった、もっとスケールの大きなレベルを司ります。 その下に御神霊と呼ばれる存在があり、さらにその下に修行中の高位の霊団がおられます。守護霊と呼ばれる存在は通常、このレベルのグループから選ばれて個人を守護するのですが、これに対して一般的なご先祖霊というのはまだ守護霊のレベルに達していない方々で、輪廻転生のサイクルからも脱していない状態にあります。 霊界における守護霊が分別をわきまえた大人とすると、通常の先祖霊というのは未熟な少年といった感じでしょうか。霊格も違えば、宇宙の真理を見通す深さも違います。また修行不足で未熟な分、まだまだ人間臭い感情が残存しており、自分が守っている子孫を単なる家族の延長と考えている節もあります。だから先祖霊の言葉を、そのまま鵜呑みにするわけにはいかないのです。もちろん修行を積んだご先祖様のお1人が守護霊となるケースは非常に多いのですが、そうかと言って先祖霊=守護霊というわけではないということをはっきり申し上げておきたいと思います。

そういうわけで、「ご相談者自身の意志を最大限に尊重する」というのが私のポリシーでもあるため、実際の鑑定に際してはこうした保護者の方々(先祖霊)にはできるだけ鎮まっていただくようにしています。とくに不倫問題などのご相談では、大抵の方の先祖霊が「できれば今の相手とは別れさせて、初婚者と結ばれるようにしてやって欲しい」とおっしゃってきます。ご先祖様の立場にしてみれば、自分の子孫が日陰の存在として不幸になっていく姿を見るのはとても耐えられない…というところなのでしょう。 もちろんご相談者自身がご先祖様の言う通りの解決法で納得できればそれはそれで良いのですが、ご本人が魂レベルで不倫相手と結ばれたいと真剣に願っている場合、あるいは上位の守護霊が人生修行として不倫という課題を与えている場合などは、どんなに有り難いご先祖のお言葉でも、それに素直に従うわけにはいきません。そうなるとせっかくの霊界からのメッセージも、ただのお節介ということになってしまうわけです。